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「なんだか調子いいかも…?」蒸しタオルで目と耳を温める

2021.12.17

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「なんだか調子いいかも…?」蒸しタオルで目と耳を温める 「なんだか調子いいかも…?」蒸しタオルで目と耳を温める

最近、なんだか調子が悪い――。病気があるわけでも、風邪をひいているわけでもないのに体調が優れない場合、原因として考えられるのが「自律神経の乱れ」です。

自律神経の乱れを整え、調子の悪さを改善するのに役立つのが、実は蒸しタオル!自律神経の乱れによって起こる症状や、自律神経が乱れてしまう理由、さらにはタオルを用いた自律神経の整え方まで、教えてくれるのは自律神経について研究し、患者さんの治療も行う「青山・まだらめクリニック 自律神経免疫治療研究所」院長の班目健夫先生です。

「青山・まだらめクリニック 自律神経免疫治療研究所」院長

消化器内科を中心に西洋医学を学んだ後、西洋医学と西洋医学以外の医療の統合に着目。日本初の統合医療を実践する「東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック」の創設と運営に携わり、2011年には「青山・まだらめクリニック 自律神経免疫治療研究所」を開設。刺絡や灸を用いながら自律神経を整えるための治療を行う。著書は『免疫力を高める「副交感神経」健康法』(永岡書店)など。

消化器内科を中心に西洋医学を学んだ後、西洋医学と西洋医学以外の医療の統合に着目。日本初の統合医療を実践する「東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック」の創設と運営に携わり、2011年には「青山・まだらめクリニック 自律神経免疫治療研究所」を開設。刺絡や灸を用いながら自律神経を整えるための治療を行う。著書は『免疫力を高める「副交感神経」健康法』(永岡書店)など。

ストレス過多の現代社会は自律神経が乱れやすい!?

「自律神経」という言葉は知っているものの、どんな機能を果たしているのか、ご存じない方も多いことでしょう。私たちの体内には無数の神経が張り巡らされていますが、なかでも循環器や消化器といった人が生きていくための機能に働きかけ、その活動を調整しているのが自律神経です。

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2種類から成り、ふたつが上手にバランスを取りながら、然るべき機能を果たしています。まるでヤジロベエやシーソーのように、一方が優位に働き始めると、もう一方の働きが抑えられるのです。

しかしながら、ふたつのバランスを取るための切り替え作業は、想定外のストレスに弱いという特徴を持ちます。過度なストレスにさらされ、交感神経と副交感神経の切り替えが正常に機能しない状態が、すなわち自律神経の乱れなのです。

疲労や睡眠不足といった肉体的ストレスに、不安やショックによる心理的ストレス。さらに異常気象が叫ばれる昨今は、突然の豪雨や猛暑、激しすぎる天候や気温の変化といった自然界がもたらすストレスも増加の一途。現代に生きる私たちは、自律神経が乱れやすい環境にある、といっても過言ではありません。

下痢や便秘に頭痛、さらには冷えまで引き起こす

すでにお伝えした通り、自律神経は、私たちが生きていくための機能に働きかけます。自律神経が乱れると、その働きが正常に機能しづらくなるため、不調を感じるのも当然のこと。

自律神経の乱れが引き起こす症状は多岐にわたり、下痢や便秘といった消化機能の低下、頭痛や疲労感に倦怠感、首や肩の強いコリ、さらには歯茎に痛みや出血が生じることもあります。また、特に代表的な例として挙げられるのが、冷えを感じやすくなることです。

実は体温や血流の調整役を担うのも自律神経。暑いときには熱を放散しようと血管を拡張させ、血流を促す一方、寒いときには内臓の血液循環量を確保するため、交感神経が血管を収縮させます。しかし、自律神経が乱れると体温調節がうまくいかず、どんどん冷えやすい体になってしまうのです。

冷えに悩む人の多さは数字からも見て取ることができ、昭和40年代には36.7℃だった日本人の平均体温が、今では36℃を下回るといったデータがあります。冷えとは無縁に思える子どもでさえも、運動不足のために熱生産量が低下。さらには偏食や夜更かしによって自律神経が乱れやすくなり、冷えに悩まされることが増えているのです。

タオルで目元を温め、副交感神経のスイッチオン!

多くのストレスにさらされ、自律神経が乱れがちな現代社会。乱れた自律神経のバランスを整えるために効果的なのが、体を温めること。最近では温熱効果の高まる入浴剤を使用したり、防寒下着や湯たんぽを取り入れたり、積極的に体を温めようとする人が増えていますが、これらと並んでおすすめしたいのが、目を温めることです。

なぜなら目元には多くの副交感神経が走り、特に上まぶたを上げ下げする筋肉「上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)」こそが、副交感神経を刺激するスイッチだから。そこで目元を温めると目元の血流が改善されるばかりか、副交感神経の働きによって全身の血流まで良くなります。

また、目元に限らず身体を温めると脳の血流まで促され、幸せを感じられるホルモン「β‐エンドルフィン」の分泌量が増加。お風呂に浸かったときに思わず出る「あ~!」という幸福のため息も、脳の血流が促進された証なのです。

実践したことのある人ならおわかりかと思いますが、目元を温めるだけでも入浴と同様の気持ち良さ、心地良さを得ることができます。こうした感覚を繰り返し味わうことはストレスの軽減にもなり、自律神経のバランスを整えることに直結するのです。

目を温めるには市販のホットアイマスク以上に、蒸しタオルの使用がおすすめです。市販のホットアイマスクは、やや温度が低め。それが電子レンジで手作りするホットタオルのアイマスクなら手軽かつ、温度の調整もしやすいことでしょう。また、目元の血流が促され、クマの改善にも期待できます。

蒸しタオルの作り方と目の温め方

①フェイスタオルを3枚用意する。

②3本すべてを水に浸けて搾り、600Wの電子レンジで1分ほど加熱する。

③まずはタオル1枚をバサバサと広げ、温度を下げてから目元を覆う。

④さらに熱いままの2枚目、3枚目のタオルを上に重ねる。

⑤これを2、3回繰り返す。

 

気分がふさぎがちなときには耳を温め、脳からリフレッシュ!

同様に蒸しタオルを使い、耳を温めるのもおすすめです。目元ほどではありませんが、耳の周辺にも多くの副交感神経が走り、さらには耳を支配する神経は内臓を支配する迷走神経という脳神経が走っています。そのため、耳を温めると内臓機能を改善させる効果も期待できるのです。

また、耳を温めることは、ネガティブな気分を和らげるにも効果的。特にうつ病では、脳にある側頭葉という領域の血流低下が認められています。側頭葉は耳の近くにあるため、耳を加熱することが側頭葉の血流を増加させる、と考えられるのです。

蒸しタオルの作り方と耳の温め方

①フェイスタオルを1枚用意する。

②水につけて搾り、600Wの電子レンジで1分ほど加熱する。

③タオルをバサバサと広げ、温度を下げてから適当な大きさに折りたたむ。

④耳を倒すように蒸しタオルを当て、耳の裏側を5~6分ほど温める。

 

目を温めるにしても耳を温めるにしても、やけどには注意し、温めた後には局所の皮膚をきちんと乾かすことが大切です。蒸しタオルで濡れた皮膚をそのままにしておくと、風邪の原因にもなりかねません。

そしてなにより、継続すること。副交感神経が優位に働くと寝つきが良くなるため、就寝前の習慣にすると良いかもしれません。ちなみに、1週間続けても何の効果も感じられない場合、タオルを当てる場所が間違っていたり、温度が不十分な可能性もあるので、やり方を見直してみてください。

こうしたケアと合わせ自律神経のバランスを整え、乱さないためには、しっかりと睡眠を取り、きちんと3食を食べ、適度な運動を怠らない規則正しい生活が欠かせません。昼夜の寒暖差が大きく、体の冷えやすい冬は、自律神経が乱れやすい季節です。規則正しい生活と体を温めることを意識し、心身ともに健康的な毎日を目指しましょう。

Photo | Takako Iimoto
Text | Kyoko Oya

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